【簡単】会社業務マニュアル作成の手順・コツの大紹介|メリット・おすすめツール
会社には必ず業務があり、その業務には作業手順というものが存在します。
業務の効率化や質の担保をするためには、これらの作業手順を明文化することが必要です。
その結果出来上がるのが業務のマニュアルです。
その業務のノウハウを知っているあなたにとっては理解は簡単ですが、全く業務をしたことがない新人が理解できるレベルに標準化することは容易ではありません。
- 社内の業務マニュアルを作成したいけど、ポイントが分からない
- 業務マニュアルを作成するメリットが理解できない
- 業務マニュアルを作成する手順や流れが分からない
上記に当てはまる方はこの記事を最後まで読んで疑問を解決してください。
マニュアル作成は会社においては欠かすことができません。
まずは、業務マニュアルとは何なのかを確認していきましょう。
目次
社内業務マニュアルとは
業務マニュアルとよく似た言葉で手順書というものがあります。
似た言葉ですが、内容は全然違います。
これらの違いは分かりますか?
業務マニュアルと手順書では目的が異なります。
手順書とは ある特定の業務の流れを細かく記載したものを指します。
手順書の目的は、記載の通りに仕事をすれば誰でも同じ成果を出せることです。
また、どの工程が遅れているのかが一目で分かるのもメリットです。
手順書を活用することで仕事の標準化を図ることができます。
他方、マニュアルにも作業手順は含まれますので手順書はマニュアルの一部と理解することができます。
マニュアルには手順だけではなく、その仕事が会社にとってどの程度重要なのか、なぜその仕事を行うのかなどの仕事の背景や理由まで記載されます。
手順書は、その通りにやることで最低限の成果を保つことが目的ですが、マニュアルはそれ以上の成果を求めます。
ただ単純に仕事をまとめるだけではマニュアルとは言えません。
それではマニュアルを作成するメリットを考えてみましょう。
社内業務マニュアルを作成するメリット
マニュアルを作成するという作業自体が業務の見直しや改善に役立ちます。
まずは、俯瞰的に見て業務の全体像を捉えましょう。
教育コスト削減
マニュアルによって対象は異なりますが、1つの目安として新人や新規入職者が理解できるレベルというのは到達点となります。
あなたも経験があるかもしれませんが、異動の度に同じ仕事の説明を行っている、ということはありませんか?
これは実はどこの会社でも抱えている課題なのです。
仕事というのはすべてをマニュアル化してそれだけで完結させることはできません。
あらゆる仕事は複雑に絡み合っています。
マニュアルではその業務の全体像を伝えることと、その中での1つの工程や作業手順を明文化します。
そうすることで新人や異動してきた社員がすぐに仕事を覚えることができるのです。
マニュアルがないと、教育には教育する側とされる側双方に時間的コストがかかります。
特に教育する側としては、マニュアルを先に見せておいておおよその業務の全体像を理解させておくことは、教育業務の効率化につながります。
また、教育される側としてはマニュアルを見直すことができるので復習にも役立てられます。
このように、社内で必ず必要となる業務の効率化と標準化を図ることができることはマニュアル作成のメリットと言えます。
業務の標準化
いざマニュアルを作成しようと思うと、案外曖昧なところや不必要なところが見えてきます。
これらの作業手順を明文化して不要な業務を削減することで業務全体の効率化にもつながります。
まずはあなたの頭の中にある作業のノウハウを書き出してみて下さい。
あなたにしかできない作業はありませんか?
あるとすれば、その仕事はあなたに依存していることになります。
属人化と呼ばれますが、基本的には仕事は社内の複数の社員ができる方がリスクは少ないと言えます。
文章やフローチャートに書き出してみると、曖昧なところやルールが変わっていることがあります。
マニュアルの作成作業によって現時点でのルールを統一することができること自体がマニュアル作成のメリットと言えます。
マニュアルがある程度完成すれば、その内容を理解して作業手順通り仕事を遂行すれば一定のクオリティーが担保されます。
あなたがいなくても、ある程度のクオリティーで仕事を遂行できる。
このような業務の標準化をしていかないと、あなたはその仕事から抜け出すことができません。
新しい仕事に着手するためにも、マニュアル化は価値があります。
業務クオリティーの向上
マニュアルを作成するのは組織の上層部です。
先ほども記載したとおり、手順書ではなくマニュアルなので、組織や会社の理念や仕事の意味・価値などを記載します。
上層部と一般社員は基本的に接点が乏しいため、上層部がどのような理念で仕事しているのか直接聞くことはできません。
マニュアルを通してなぜその業務を与えているのかを知る機会になります。
マニュアルを作成する側からすると、マニュアルを作成するという作業を通して自分の意識を言語化することができます。
簡単なようで実は難しい作業です。
ポイントを絞ってシンプルに作成しないと読んでも理解することができません。
その仕事の価値をきちんと伝えつつ、シンプルに作業手順を記載することは、あなた自身の頭の整理になります。
属人化を防ぐ
先ほども少し記載しましたが、あなたにしかできない仕事を属人化していると表現します。
社内においてはこのような仕事が増えてしまうと特定の人間がいないと仕事が回らなくなってしまいます。
これは組織としては危険な状態であり、この状態から脱却するためにマニュアルの作成が必要になります。
属人化していると専門性の高い社員が業務を遂行するため、専門的な人材が育ちます。
毎回質の高い成果物を提供できるので顧客からの評価も高くなることがあります。
しかし、それらのメリットを考慮しても属人化にはデメリットの方が大きいと考えます。
ミスがあっても発見しにくいこと、その人がいないと業務が回らないこと、特定の人物に仕事が集中すること、これらは組織的に考えるとやはり解決すべき課題なのです。
属人化を防ぐためにもマニュアルの整備は必要です。
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業務マニュアル作成手順
業務マニュアルを初めて作成する方のために、作成の手順をご紹介します。
どこから手を付ければ良いのか作り方が分からない、という方は是非参考にしてみて下さい。
マニュアル一覧を作成する
マニュアル一覧の作成というのは社内の業務の全体像を把握することになります。
今困っている業務というのが社内の他の部署の業務と関係していることはよくあることです。
優先順位としては今困っている業務についてマニュアル化をしていけばよいと思いますが、そのマニュアルも全体との調和の中に成り立つものです。
特に他部署の業務の内容は見えにくいことが多く、単独の部署だけでマニュアルを完成させることは難しくなります。
他部署にも協力を依頼し、社内全体でマニュアルの作成、整備にとりかかることが重要です。
すでにある程度のマニュアルが整備されている場合でも、常に一覧を確認し全体とのバランスを保ってマニュアルを更新します。
マニュアルのフォーマットおよびツールを決める
フォーマットがバラバラしているマニュアルは見にくいの一言です。
あるマニュアルは紙面で、あるマニュアルはPDFで、あるマニュアルは動画で…
このような状態では社内で統一化を図ることは程遠いでしょう。
フォーマットを何するかは組織によって違って良いと思います。
どれが正しいというわけではありません。
近年のCovid-19パンデミックの影響でリモートワークが普及しています。
リモートワークに対応しようと思うと、紙ベースのマニュアルでは不可能です。
このように、現在の状況だけではなく、今後の社会情勢や自社の立ち位置も考えてのマニュアルの整備が求められまる。
紙マニュアルのメリット・デメリット
メリット
- 必要な時にすぐ手元で見ることができる
- 保管場所が分かりやすい
- 業務中に目に入るところにあれば、マニュアルを見る意識づけができる
デメリット
- 見たい内容を探すのに時間がかかる
- 印刷にコストがかかる
- マニュアルの量によっては保管スペースを圧迫する
- 定期的なメンテナンスが必要(更新の度に印刷が必要など)
電子マニュアルのメリット・デメリット
メリット
- 検索することができるので欲しい情報をすぐ見つけることができる
- 更新が簡単
- 持ち運びができるのでどこでも見ることができる
デメリット
- コンピュータなどの媒体がないと見ることができない
- 複数のページを同時に見ることができない
動画マニュアルのメリット・デメリット
メリット
- 身振り手振りなどの文字以外の手段で伝えることができる
- 印刷コストがかからない
- 読み飛ばしを防止することができる
デメリット
- 動画の作成コストがかかる
- マニュアルの更新が容易ではない
- 動画を見るための環境が必要
実際の流れを確認する
マニュアルに記載されたことは、社内のルールとなります。
細部の動きは実際に現場で動いている社員が一番良く分かっていますので、正しい方法か確認したうえでマニュアルを作成します。
確認すると同時に、効率化が図れそうな作業や削除できそうな業務はここで整理しておきましょう。
一度でマニュアルが完成することは珍しく、試験運用を行い問題がないかチェックしてから共有しましょう。
作成&共有
マニュアルが完成したら社内で共有します。
ここまでの作業が大変なので一安心といきたいところですが、この共有の作業が最も重要なのです。
なぜなら、共有ができていないマニュアルには価値がないからです。
どれほど素晴らしいマニュアルを作成したとしても共有されていなければ意味がありません。
共有の方法は様々ですが、印刷して配布して終了、という方法は効果的とは言えません。
効率的な共有方法を考えておきましょう。
現在は様々なツールが登場しておりますので、うまく活用すれば効率的にマニュアルを共有することができます。
必要に応じて追加・更新する
マニュアルは作成することが目的ではありません。
いかに運用するかが鍵となります。
古いマニュアルや今の状況に合致しないマニュアルは誰も使いませんよね。
マニュアルは常に最新の情報に更新しておくことが必須であり、定期的なアップロードとその周知はマニュアル運用のコツです。
業務マニュアル作成におけるコツ・ポイント
マニュアルを作成したけど、いつ更新されたのか分からない。
マニュアルが全然周知されない。
このような悩みはありませんか?
マニュアルは作成して終わりではないため、メンテナンスがしやすいように工夫が必要です。
作成の段階でその後の運営や更新、管理や共有方法などを決めておかないとせっかく作ったマニュアルが台無しです。
マニュアルはただの手順書ではありません、流れ作業ができれば良いというものではなく、その仕事の意義や注意点の記載が必要です。
ここではマニュアル作成においてのコツやちょっとしたポイントをご紹介します。
簡単に作成や更新ができるようにする
マニュアルの作成というのは骨の折れる作業です。
社内の業務効率化のためとはいえ、役職レベルでも腰が上がりにくいのも分かります。
マニュアル作成においては、このような作成のハードルを少しでも下げることが重要となります。
土台となるフォーマットを提供しておき、すぐに書きこめるようにしておくことも1つの方法でしょう。
せっかく作成したマニュアルでも定期的な見直しや更新が必要になります。
この見直し・更新作業の手間も少しでも省けることが望ましいです。
例えば、パワーポイントで作成するとした場合、パワーポイントが苦手な社員はマニュアルを作成することが苦痛で仕方ありません。
きれいで見やすいフォーマットでの作成ももちろん大事なことです。
そこに、作成の簡単さや更新の手軽さが加わることでより運用しやすいマニュアルとなります。
共有・管理を考慮した設計
マニュアルは印刷されてファイルにまとめられていることが多いと思います。
このような紙マニュアルにもメリットがあることは記載した通りです。
しかし、紙マニュアルは自分の欲しい情報がどこに記載されているかを検索する機能がありません。
検索したい時のために電子化されたマニュアルもあった方が仕事の効率はよくなります。
分厚いマニュアルから自分の欲しい情報を探す労力を考えると、誰かに聞きたくなる社員の気持ちもわかります。
共有する方法よりも、どのように共有すればマニュアルを活用しやすいのか。
常にその視点でマニュアルの作成・更新を行いましょう。
マニュアルを見るのが楽しくなる
マニュアルは手順書ではありません。
作業の流れや作業手順を記載するだけではマニュアルとして不十分です。
その仕事は社内においてどれくらい重要なのか、その仕事は他の仕事とどのように関係しているのか。
仕事は単品で終わることは少なく、多くの作業は複雑に関係して成立しています。
マニュアルを見ることでやる気が湧いてくる
自分の仕事がどれだけ社会の役に立っているかが分かる
そんなマニュアルだと見るのが楽しくなってきますよね。
いつても簡単に加筆修正ができる
頑固すぎることもよくありませんが、仕事にはこだわりも大切です。
ただの手順書で終わらず、こだわりのポイントを記載しておきましょう。
過去に起こったミスやヒヤリハットなども記載しておき、同じミスを防ぐことも重要です。
このような経験しないと分からないノウハウを共有し、業務の標準化を図ることにマニュアル作成の意義があります。
理解度のチェックができる
マニュアルを読めばできる仕事も中にはあるでしょうけど、比較的少数です。
マニュアルを読むというのはインプットの作業ですので、アウトプットの機会を与えてあげることで理解度は深まります。
理解度チェック用のテストを行うのも良いでしょう。
テストがあると分かっていれば集中してマニュアルを覚えようとします。
繰り返しになりますが、マニュアルは作成して終わりでは意味がありません。
最終的には社員が理解して実行できるようにならなくてはいけません。
そこまでの準備も含めてマニュアル作成業務と言えます。
マニュアル作成ツールが注目される理由
マニュアル作成はただ文章や手順書を記載・羅列するだけでは不十分です。
昨今、これらのニーズを満たす様々なマニュアル作成ツールが登場していることをご存知でしょうか?
ここではマニュアル作成ツールの人気が高まっている理由をご紹介します。
マニュアル作成に携わったことがある方なら必ず共感いただけるはずです。
マニュアル作成ツールが注目される3つの理由
マニュアル作成ツールと表現しましたが、作成だけではなく管理・共有までしっかり行うことが可能です。
ツールを利用することで、以下のマニュアル運営上の課題を解消することができます。
- 作成・追加・更新作業に時間と労力がかかる
- マニュアルは完成したのに共有がうまくできない
- 社内でどの程度の周知が図れているのか分からない
これらはマニュアル作成・運用において大きな課題でした。
ツールでどのようにして解決していくのか説明していきます。
作成・追加・更新が簡単
マニュアルはどのフォーマットを利用するかから考えなくてはいけません。
ツールは基本的にタイトルと内容を記載するだけでマニュアルが完成します。
いつでも追加や修正、更新ができます。
このようにフォーマットを1つにすることはすごく大切です。
情報は1カ所にまとめておいた方が管理しやすいです。
見る側もツールを見ればすべてのマニュアルがある、と分かっていれば探す作業も省けます。
共有や管理が簡単
ツールでは基本的に電子マニュアル、動画マニュアルとなります。
紙マニュアルは利用しません。
ツールは検索機能に優れているため、マニュアルの中から今見たいページを瞬時に表示できます。
ネットの感覚で調べることができるので、特に今の若い世代にとってはマニュアルが近い存在になります。
評価として利用できる
通常のマニュアル運用ではできない機能がこの閲覧確認機能です。
マニュアルを見たかどうかを把握できるため、部下の評価などにも役立てることができます。
何度も記載している通り、マニュアルは周知して初めて効果を発揮します。
閲覧したかどうかが把握されている、というのはある種周知のためには有効な方法とも言えます。
まとめ
いかがでしょうか?
- 社内業務マニュアルを作成することで業務が整備される
- マニュアルは完成度だけではなく、運用・共有方法が重要
- ツールを使えばマニュアルの作成から運用・共有まで一括して可能
社内業務マニュアルは必ず必要になります。
マニュアルの作成によって業務の明文化と効率化を行い、業務のスリム化を行いましょう。
動画主流の現代において、今後は文字だらけのマニュアルは見られにくくなってくるかもしれません。
動画やツールを活用することで時代に合った会社という印象を与えてみませんか?
最後までお読み頂きありがとうございました。